午前中、都内から問屋さんが見え、いろいろ歓談をする。ここの問屋さんからは主力仕入れである玄そばは、弊社としては久しく購入していなかったのだが、その問屋の営業のKさんは高い見識で玄そば業界のことを見ているのでついつい勉強になり、若干量の18年産物の北海道を契約した。
商売の基本は昔の行商ではあるのだろうが、ある程度のビジョンやポリシーを持って商売をしていると、『こういう商品を持っているので、どうですか、買ってもらえませんか?』というのばかりでは通用しなくなる。そのような行商のような売り方はあくまでも基本ではあるのだが、それではおもしろくない。日用雑貨品のようなものであるのならば、そういう風に商品を買ってくれ、などと奨められれば買わないわけでもないのだが・・・。
昨日のKさんは先ほども書いたように、高い見識から世界の蕎麦事情、北海道における産地ごとの生産者情報、他にもいろいろ東北地区における蕎麦事情など等、とても素晴らしい見識を持っている。
決して、どうですか、買ってください、などとは言わない。ところが、そのような深い分析力で話をされると、秋以降の弊社の製粉計画に照らし合わせて、少し買っておこうか・・ということになる。
それで、若干量契約をしたわけだ。これぞ、本物の営業、言葉を変えればプロの物売りと言えよう。
相手に買う気が無いのに、間に合っているのに、車に積んでいるので買ってください、お願いしますでは、一度や二度は客も買ってくれるだろう。特に日用雑貨品のようなものにおいては。ところが、これだけ世の中が進化して、どこからでも物が調達できるようになると先ほどのKさんのようにプロの本物の営業ではないと、なかなか売れないであろう。とりわけ、蕎麦などというものは、特殊な食材、嗜好的な食材の筆頭極まりない商品なのだから。
弊社も以前は朝、車にその日に売れるだろうと思われる分量の蕎麦粉を積んで得意先を回る売り方をしていたが、最近はそのような売り方は極力避けるようにしてきた。とにかく無駄が多すぎる。きょう行ってもその必要とされるものがなければまた明日行くことになる。その手間とガソリン代だけ
考えても無駄が多い。週のうちに何日かは方面別にルートセールスなるものを組んではいるが、それもなるべく得意先のほうから必要なものを注文してくれるように話してある。こちらから電話を入れ、注文を聞くやり方もしているのだが、その時に先方の主人があいにく手を話せなかったり、留守だったりすると何回も何回も電話をしなければならない。そのような無駄を省くためにも、先ほど書いた、買って下さいなどと言わなくても先方に買う気を起こさせるKさんのような本物のプロの売り方をしていかねばならない。
蕎麦粉という特殊な嗜好的食材を製造している我が蕎麦粉製粉業としては、『常陸秋そばという優良品種の産地の中に工場を持つ』という他にはない地の利、独自性を前面に押し出してPRしていかなければならない。そして、広く全国に簡単に十割蕎麦が打てる蕎麦粉をさまざまな顧客に対して供給して健康な食生活に少しでも役に立てるような商売形態としていくことを最近は考えている
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