先日、新潟で起きた大地震、テレビの映像で色々見て改めてその被害の大きさにはビックリした。地上にある構造物のほとんどが破壊されて住居はもちろん、道路、山などが一瞬のうちに姿、形を変えてしまい、違うものとなってそまう。大変恐ろしいことだ。体育館等に避難されている人々の心労は本当に想像を絶するものであったと思う。さっきまで居た住居が地震でつぶされてしまい、またいつも通行していた道路がゆがみ、崩れてしまう。何が何だかわからない状況で無我夢中で避難されてきたと思う。
今年の新潟県は夏の水害、そして今度の地震被害と続けて2回も自然の猛威にさらされて、本当に大変だったと思う。私などがこのような場で何を書いたところでどうにかなるわけではないが、心より御見舞い申し上げる次第であります。.ただ、なにか本で読んだことがあるが、新潟県の県民性はとても粘り強く、忍耐強く、そしてコツコツと努力する人が多い県民性である。というのを読んだことがあるが、確かに避難されている方々がインタビューされている光景を見ても、いやな顔ひとつせず現状を前向きにとらえ、一日も早く元の生活に戻りたいと明るく答えていたのがとても印象に残る。
このような天災はいつ我が身に振りかかってくるか、わからないので、今度のことを我が身に置き換えて、律していきたいものである。これは私の長所でもあり、短所でもあるのだが、このような事柄を見て、『物事はまず最悪の事を想定してそこから考えを出発させよう』といったことを改めて再確認した次第である。
さて、本日はかねてより是非行ってみたいと思っていた「鬼怒川竹やぶ」に行ってそばを食べてきた。ちょうど水海道のAコープに行く予定があったのでそれを終わらせてから鬼怒川竹やぶに向かった。あらかじめ場所の確認はしていったのだが、道に迷ってしまった。岩井方面から入ってきたのだがとにかく店の場所がわかりづらかった。鬼怒川の赤い橋を渡ってすぐだと思っていたのだが曲がる道がわからず通り過ぎてしまった。戻ってきて、良く見ると電柱に広告が出ていてやっと入るところがわかった。私など地元で土地勘があるので1回通り過ぎただけでなんとかたどり着くことが出来たが、遠方から来た人では、たぶん相当苦労するであろう。それぐらいに入る道がわかりづらい狭い道であった。
この店は柏の竹やぶで修行した人が平成8年11月にのれん分けしてもらい開いた店である。柏竹やぶはモダンな洋風造りであるがこちら鬼怒川竹やぶは数奇屋造りで正反対な店造りである。共通しているのは入口までの通路がやたら長いことである。普通、そば屋さんというと屋外からすぐにのれんをくぐり店の中に入るといった構造だが、竹やぶは柏・鬼怒川ともちょっとした通路を経て、入口があり店内へ入って行くといった構造になっている。”さあ、ようこそ、そばの世界へ”といった幻想の空間へ客を迎えるといった具合に素晴らしい演出をしている。
そばは江戸時代から続く庶民の食文化の象徴といった観点とはまったく正反対の異質なものとしてそばをとらえている。これはこれでいいと思う。店内はすべての席から鬼怒川のおおらかな流れを一望できるようになっている。ロケーションは素晴らしい。
さあ、そしてそば。でもあまりに店内の雰囲気が良かったので、車の運転であることを忘れてエビスビール中びんを頼んでしまった。お通しには揚げそば。塩加減がビールによくあう。そばは、せいろ700円と鴨つくねそば1300円を注文。量が少ない。かなり少ない。普通そばは一人前で生そばの量で150g〜160gが一般的であるがここはその半分くらいの量である。3回すすってなくなるどころか、箸2回でなくなってしまう量である。私は柏竹やぶである程度経験していたので納得はしていたが、もし、農家のおじちゃん、おばちゃんが頼んだら、あまりの量の少なさに卒倒してしまうであろう。でもこの量の少なさは本当に良いものはたくさん出来ないといった店主の熱意の表れなのであろう。またそのようにあえてとりたい。
そばの味についてはあの柏竹やぶで修行された方のそばであるので、ここであえて書くこともない。これぞ江戸前のそばといった感じである。0.1ミリとくるっていない測ったように包丁切りされたそばに、ただ濃いだけではなくまろやかで優しさのあるつゆの味。もう何も言うことはありません。
ただ量が少ないのは残念である。と思っていたのだがそば湯が出てきて、その固定観念も払拭された。いままでたくさんの店のそば湯を飲んできたが、その中でもこの店のそば湯はベスト3に入るくらいに素晴らしいものであった。もちろんゆで釜からすくってきたのではなく、別の鍋で上質の更科粉をわざわざ溶いでつくったもので、ルチンの含有率ではナンバーワンかもしれない。器にたっぷり入ってきて、せいろ1枚や2枚ではとうてい腹一杯になるわけもないがこのそば湯を残ったもりつゆに入れて、何杯も何杯も飲むととても幸せになった気分になってくる。それぐらいにおいしいそば湯であった。体のスミズミまでの血管がさらさらときれいになったような錯覚におちいる。
鬼怒川竹やぶはロケーションといい、そばといい柏竹やぶでしっかりと修行されたので江戸時代からの庶民文化の象徴とはまた違ったそばの世界へ貴方を連れていってくれるといったような、そばに対するイメージを変えさせてくれる店である。 |